インドの売春街の子供たちを想う(その1)

インドの売春街の子供たちを想う(1/ 5)

ムンバイのカマティプラ地区で幼稚園を運営しているNGO AAWC(Apne Aap Women’s Collective)とそこに通う子供たちの母親が働いている売春街を訪れたのは、私が初めてインド訪問した2010年2月のことでした。

その時の事を、2012年6月に一般社団法人サルボダヤJAPAN(スリランカの農村開発運動を通じ国際協力を推進する団体)に寄稿した文章がありますので5回に分け公開いたします。

(当時、私がNPOインドに幼稚園を作る会に所属していたこと、また幼稚園の児童数など変わっていますが、基本的なことは当時のまま現在に至っています。あるいは状況はもっと悪くなっているかも知れません。ネパール地震の後、ネパールの少女が目立って増えてきた、とAAWCの責任者が話してくれました。また翌年以降は売春宿訪問を禁じられました。少女たちを救うNGO Rescue Foundationと売春組織とのトラブルが頻発しているから危険とのこと。)

1.少女売買

 「ネパールとインド間の国境を越えて、年間7,000人のネパールの幼い少女たちが、人身売買犯罪の犠牲になっている。彼女たちの売られていく先は、ムンバイ、プーナ、デリー、コルカタなど、インド屈指の私娼窟。不衛生極まりない売春宿に到着したその日から、一筋の陽光さえ射さない狭い部屋に軟禁され、性奴隷として日に数十人もの客の相手をさせられることになる。そして、多くの少女がHIVに感染し、果てはAIDSを発症して死んでゆく——-。」

これはNGOラリグラス・ジャパン代表の長谷川まり子氏の本「少女売買」の冒頭の一説です。これはフィクションではありません。インドで今日も起こっていること、また明日も起こるであろう現実の話です。

インドでは毎年約2万人の少女達がインドの農村、バングラディシュ、ネパールなどから売られてきます。極貧の家庭の少女達は初等教育さえ満足に受けられません。学校に行けず毎日家事や農作業の手伝い、まだ幼い弟や妹の面倒を見、家畜の世話もしなければなりません。

純朴で無知な少女達は人を疑うことを知りません。「いい働き口を紹介してあげよう、給料を沢山もらい、美味しい物を食べ、綺麗な服を着て、家族にも仕送りが出来る。」などとトラフィッカー(周旋人)の甘い言葉に誘われ、「貧しい親を助けたい」「幼い弟や妹にお腹いっぱい食べさせたい」「過酷な農作業から逃れたい」との一心で、誘いに乗るのです。それが罠とも知らず、騙されて多くは大都会の売春宿に売られて行きます。

インドのムンバイ市でも約10万人の売春婦がいるといわれています。その大半はまだ少女です。その少女達は「望まぬ妊娠」を経験し、やがて子供が生まれます。母子感染でエイズなど極めて深刻な病気にかかっている子供もいます。無垢な子供達は生まれた時から、この不衛生で悲惨な境遇で毎日生きていかねばなりません。子供達にとって売春宿・街での生活が全てです。外の世界を見た事がありません。そして母親の無知と貧困がそのまま子供達に受け継がれていきます。