エローラ石窟寺院

インドのエローラ石窟寺院は1983年に世界遺産に登録されました。

マハラシュトラ州アウランガバード市より西に車で1時間行った所にあり、最近は日本からの観光客も増えています。

岩を掘つて造られたこの石窟寺院は、仏教(12窟)、ヒンズー教(17窟)、ジャイナ教(5窟)と3種の宗教の寺院で構成されています。 最も古い時代5~7世紀に遺跡の東側に仏教寺院が造られ、7世紀ごろから中心部に造られたのがヒンズー教の寺院、最後の西側にジャイナ教の寺院が造られました。それぞれの石窟は造られた時期、場所も近接しており、当時のインド人の他宗教に対する寛容さが窺われます。

因みに、インド人の宗教別構成は、ヒンズー教徒:80.5%、仏教徒:0.8%、ジャイナ教徒:0.4(他にイスラム教徒:13.4%、キリスト教徒:2.3%、シーク教徒:1.9%)となっています。

ヒンズー教石窟寺院

ゲートを潜ると、ヒンズー教の寺院が正面に現れシヴァ神の第一夫人のパールヴァティが迎えてくれる。ここ第16窟にはエローラ石窟寺院で最も重要なカイラーサナータ寺院がある。

一つの複雑で巧妙な寺院の建物、構築物、レリーフなどを、岩山を天上から堀抜いて100年以上の歳月をかけて造られているらしい。見事と言うしかない。

カンボジャのアンコールワット、インドネシアのボロブドゥ―ル遺跡もエローラ石窟寺院をイメージして造られたとも言われている。

仏教石窟寺院

ヒンズー教寺院の右手の方向に第1窟~第12窟までが最も古い仏教の石窟寺院が占めている。入口の天井には優雅な天女のレリーフが見られる。ヴィハーラ窟には瞑想室を中心に台所、寝室などの付帯設備が階層構造に設けられている。

またチャイティア窟(10窟)には、仏殿や本堂ともいう菩薩と聖者を従えた仏陀の像が彫られている。天井の高いホールに入ると奥に高さ4.5mの鎮座して説教をする仏陀の像がある。

仏陀は、人間みな平等と説き、カースト制を批判し、解脱して人間的な生き方を求める事を説いた。

ジャイナ教石窟寺院

ヒンズー教石窟寺院群から少し離れた西側にジャイナ教石窟寺院はあります。

32窟にはジャイナ教神殿があり、天井には素晴らしい蓮の彫刻で飾られている。

ジャイナ教徒は、不殺生、菜食主義者が多い。

インドではB.C.1500年頃、アーリア人の侵入がありバラモン教が最も古く、B.C.500年頃に

ジャイナ教、続いて仏教が誕生、ともに紀元前後あたりにヒンズー教に取り込まれたと言われています。

これらの見事な石窟寺院群は見る価値が十分にあります。

日本への仏教伝来は6世紀半ば頃とされ、607年には法隆寺が創建されています。

時をほぼ同じくしてエローラ石窟寺院が造られたことに、日本とインドに類似性を感じ、親近感を覚えました。